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『若い2人組の男が姐さんを攫ったんやと』
「へー、物騒だねー」
ハルはコンビニの棚から菓子を取ると飲料の並ぶ冷蔵庫からミネラルウォーターを取った。帰り道の途中で電話が鳴りディスプレイに表示された梶原の文字に「もうバレたか」と独り言を言った。とはいえ流石にバレバレかと諦めて電話に出た第一声がこれだ。
『腕の立つ男が二人やと』
「へー」
『ハル』
「まぁ、そういう若いのっていっぱいおるやろ?姐さん攫ったっていうんも、まぁ頻繁にはないにしてもなぁ」
『無事か』
「まぁ、そうね、腕の良い医者がいるんで適切な処置はされたんちゃうかなーって。やけどその医者も渋い顔する身体らしいけどな。俺は知らんけど」
あくまで全然知らないですけどねと、形だけ装う。
『姐さんの身体は、昔に色々な』
梶原が、深く息を吐くのが分かった。疲れてるなと思いながら、何か話でも聞こうかなんて言えるわけもないのでただ黙る。
そもそも人生経験が乏しハルに何が出来るのか、子供だなと思い知らされる瞬間だ。
「最近さ、全然逢ってへんやん?」
『ああ、ゴタついてるからな』
「逢ったらさ、思っくそエロいことしようぜ。好きにしてええよ」
梶原が笑った。電話越しの梶原の声は直接聞くよりも少し低く聞こえる。落ち着いたトーンで声だけでもずっと聞いていたいくらい、梶原の声は好きだ。
「期待しててよ、ダーリン」
『まったく。あんまり無茶してくれるなよ』
「もうないない。全然、大人しいから。いや、俺は無関係やし」
『はいはい、わかった。じゃあな』
「バイバイ」
ハルは目に入ったゼリーを手に取るとレジに向かった。
マンションに帰ると龍大は疲れたのかソファに腰を下ろすと大きく息を吐いた。威乃はその顔を見て「コーヒー飲む?」と台所へ行こうとしたがその腕を掴まれ引き寄せられた。
「助かった、ほんまに」
ぎゅうっと抱きしめられて、威乃も龍大の身体に腕を回した。
「俺もおかんのこと助けてもらったから、お返しやないけど出来てよかった」
聞こえるか聞こえないかの返事が返ってきて、そのままソファに押し倒された。
「おい、こらー、ん」
軽く唇を啄まれ、威乃もお返しにと龍大の唇に軽く噛み付く。首に腕を回して本格的に深い口付けを交わしているとテーブルに置いていた龍大のスマホが振動し始めた。
それを無視して威乃の服の下から手を入れる龍大の背中を叩くと不服そうな顔を見せる。
「いや、出なあかんやろ」
威乃に言われると渋々という感じでスマホに手を伸ばした。だがディスプレイに表示された名前を見て龍大は起き上がった。
「はい」
『お前、あれをどこやった』
電話の向こうで龍一が笑うのがわかった。
「俺のおかんや、どこでもええやろ」
『ははは!お前もまだまだ子供やのぉ、俺が見つけれんとでも思うてんのか』
「探せるんやったら探したらええ、俺かて伝手はある」
『ほぉ…。成長したのぉ』
「何が言いたいねん」
『まぁええわ。本題や、お前、見合いしろ』
「は?」
龍大の声に威乃が視線を向けた。
「何やて?」
『見合いや見合い。お前もええ年や』
「何を急に」
『なんや、お前、イロおるんか。おるんやったら連れてこい』
「いや、やなくて。獅龍が先やろ」
『あれはあかん。お前が先や。また日程は神木から連絡する』
龍一はそう言うと一方的に電話を切った。龍大はゆっくりとスマホをテーブルに置くと、真っ直ぐに前を見据えた。
「何か言われたん?」
龍大の表情に威乃が訝しんで、恐る恐る聞いてくる。それに龍大は威乃の顔を見ないまま口を開いた。
「いや、おかんはどこやて」
「そうやんな、そうくるよな。やっぱり、探し出すかな?でも、初歌くんのとこは国家レベル並みに情報漏れへんから大丈夫やで」
安心させるために笑顔を向ける威乃に龍大は手を伸ばし、グッと抱きしめた。
「風呂、行こ」
「やる気満々か」
笑うと抱き上げられ、威乃は龍大の腰に足を巻きつけた。
「待って、龍大」
シャワーを浴びて檜の風呂に浸かろうとする威乃の身体のあちこちにキスを落とす。風呂なのでもちろん全裸。
ゆるゆると与えられる刺激に威乃の雄が頭を擡げる。羞恥だなと威乃が不埒な動きをする龍大の手を押しどけても、それを軽く交わされて尻たぶにキスをされる。
「龍大っ!」
後ろから手が回り、シャワーを取られシャワーフックに戻されると、頭を擡げているそれをギュッと握られた。
「あ!ちょ、」
「威乃、舐めれる?」
珍しいことを言うなと思いながら龍大の方に身体を向けるとトンっと押して風呂の淵に座らせた。そして龍大の足の間に座ると既に熱を持って形を変えているそれを手にした。
相変わらずゾッとする大きさだなと、浮き出した血管をなぞるように舌を這わした。龍大の筋の浮き出る腹筋が少し揺れて気を良くした威乃は、竿を扱きながらゆっくりと咥えた。
「威乃、無理すんな」
「むひひてひゃい」
咥えたまま”無理してない”と言って、ゆっくりと喉を開いて奥まで飲み込む。昔は自分がこんなことをするだなんて夢にも思ってなかった。いや、考えたことすらなかった。
今はどうにかして、この愛しい男を悦ばせたいと思って止まない。
頭を前後に動かして舌を巧みに巻き付けながら吸うと口の中で跳ね、体積が増す。どこまで大きくなる気だと思いながら、感じてくれてることがただ嬉しい。
風呂場にいるせいで音が響いて聴覚からも刺激される。龍大のを咥えていると身体が熱くなり、ぶるっと身震いを感じた。そして堪らなくなった威乃は自分のペニスを扱き始めた。
先端を指先で撫でながら風呂の湯で濡れた手は淫猥な音色を奏でながら激しく動く。龍大はそれを見ながら威乃の髪を撫で、自分でもゆっくりと腰を動かし始めた。
口の中を龍大でいっぱいにしながら、自分で慰めるように快楽に耽る。その行為にぞわぞわと肌が粟立ち、威乃のペニスを扱く手がどんどん速さを増す。
「威乃…っ」
熱を帯びた掠れた声で名前を呼ばれて威乃は思いっきり喉を締めた。すると龍大が驚いて腰を引いたが威乃はそのまま吸い付いて、脈打つ龍大のペニスから溢れ出た蜜をゴクっと飲んだ。
「まず…」
最後までぎゅっと絞り出すように飲んだあと、威乃はシャワーを出して口に含んだ。するのは慣れたけど味には慣れない。威乃が口を濯いでシャワーを止めると、後ろから龍大が覆い被さってきた。
「威乃」
「今日は甘えん坊や」
笑うと龍大が少し萎えた威乃のペニスを大きな手で包むように握る。
「龍大」
横に顔を向けてキスを強請る。舌を絡ませていると熱で赤くなった胸の尖を指で摘まれ、腰が跳ねた。クリクリと指で弄ばれながらペニスも同じように刺激される。
膝から力が抜けて崩れそうになった身体を支えられ、胡座をかいた龍大の上に背中を向けて座らされ大股を開かされる。
「わ、龍大!?」
慌てる威乃の足の間に手を入れ既に迎え入れることに慣れた窄まりを指で撫でると、そのまま中に入り込んできた。それに威乃は思わず”それ…”と口にしかけた。
ペニスを手で扱いて刺激しても達せなかった。快楽は得れるがそれを上回る後ろの飢餓感。早くいっぱいに埋めてくれと触られてもないのに浅ましくピクピクとひくついて収縮していた。
「あ……っあっ…あ…、…!あっ………ん!」
腕を動かされるのと一緒に腫れた双嚢が擦られる。それすらに反応してしまうことに羞恥して顔を手で覆った。
「痛くない?」
いつの間にか指を増やされて龍大を迎え入れるために拡げられる。まるで中から濡れているかのようにクチュッと音が鳴って痛みなんで感じるわけもなく、ただ頷いた。
首元に熱い息がかかる。興奮した龍大が頸に吸い付く。そして指を引き抜くと両腕で足と身体を一纏めにされて持ち上げられ、聳り立つ龍大のペニスに窄まりを当てると押し入るように一段と熱い熱が体内に入り込んでくるのが分かった。
「あ…、…やば………、…あぅ……あ……ッ!あ……ん…、ああっ…、」
龍大の腕に爪を立てて喉を反らす。自分の自由なく抱えられた身体は下ろされ、ズブズブと美味しそうに龍大のペニスを飲み込み、それだけで震えるほどの快楽に包まれる。
最後まで飲み込んだところで腸壁の奥を龍大の先端がゴリッと刺激し、威乃は声にならない声を上げて身体を震わせた。
散々ペニスを刺激しても達せなかったのに、中に入り込まれただけで絶頂に達してしまい全身の力がダラっと抜けた。龍大はそれをいいことに威乃の両足の膝裏から腕を回して固定すると膝を立てて腰を動かし始めた。
「あっ、ぁ、ッぅあ……っ!」
ゴリゴリと中のしこりを龍大の熱で擦られ最奥を何度も抉るように突かれる。身体を持ち上げられていて自分の力で諍うことも出来ずに、ただ犯されて、その快楽に威乃のペニスは突かれるたびに蜜を飛ばした。
「きもちい…、っなに…、こ…れ……あ…、あっ…!イ…くの、止まらっ…な…っっ…は…ぁ…!」
「威乃、いのっ」
パンパンと肉の当たる音と龍大の熱の籠った声、風呂場で響くその全てがスパイスとなり威乃を悦ばせた。龍大は威乃を下ろすと風呂の淵に手を突かせて細い腰を掴むと、乱暴に後ろから犯し始めた。
「あ、龍大…っ!激し…!だ、っめ…、っ奥…だっ…めッイクッ…!…イ…クッ!…イ…クっ………っ……!」
威乃のペニスは跳ねるが、もうずっと押し出されるようにして蜜を吐き出し続けている。それでも龍大は威乃を離すことなく突き続け、犯し続けた。
後ろから手が回り腫れ上がる乳首を捏ねられると縁を掴んで立ってられなくなり、ずるずると風呂場の床に崩れ落ちた。そのせいで龍大のペニスが抜けてしまい、ひどい喪失感から振り返ると龍大が満足したように笑みを浮かべ唇を喰らうような獰猛なキスをしてきた。
首に腕を回して必死に舌を絡めて唾液を飲みながら、萎えることのなさそうな龍大の熱を手で握りゆるゆると扱いた。
「威乃」
「龍大、俺に何かした?たまんない。早く、早くこれ入れて、早く」
もう訳が分からないと言わんばかりの威乃から少し離れて座ると、龍大は見せつけるようにペニスを掴んだ。
「威乃の身体が全部、俺を受け入れたってことやろ。おいで」
腕を引かれ促されるまま龍大の上に跨り、待ち侘びたように中に迎え入れる。ずるっと飲み込むと威乃は腰を回して自分の良いところに当てると、目の奥でスパークするくらいの快楽に震えた。
そして龍大の肩に手を回すと、そのまま身体を上下させ始めた。
「やばぃっい……ッ!こす…れ…、る…ぅ…、!だ、め…、きっもち、いっ、ぃっ…あ、あっ!」
「威乃んなか、ぎゅうぎゅうしてる。ヤバい、出そうや」
「あ、あ、ああ!きっ…も…ちっいぃっ…、龍大、好き、好き、あ、ああ…っ」
「威乃、出る、イクっ」
「あっ…っん…ッ!んっ…ぅ…う!中に…っ!中に、出…し…て!!あ…っ…ん!あっあ、ッ!」
凛々しい眉根を寄せて快楽を追う龍大を見て、威乃は身体を震わせた。龍大の手が威乃の腰を掴んで身体の動きを早くする。それに威乃は思わず落涙した。
「ご…んごん…突いって、…きも…ちっ…いぃっ、あ…ぁっ!っ…あ゙…、イっ…ク…ッ!イクっッっ…!イク……っ…っ…」
1番の波に意識が遠のきかける。その瞬間、身体に熱い熱が一気に吐き出され威乃は漏らすように透明の液を吐き出した。
「う…っそ!!…?、い…、…いや……!な…にっ、や、やだ!こっれ…、っな、なに…、…っ!あ!?」
困惑する威乃を無視して龍大が潮を吐き出す威乃のペニスを強く扱きながら、萎えることのない熱棒で下から突き始めると威乃はパニックになった。
「あ…ぁっっあ゙…ッ!止…まっっ…て…ぇっえ、!ひっ…う……おかしく…な…るっ!こ、…こわっ……!いや゙っ!い…や゙っ…っっ…、…あ゙…、龍大っ!」
「もっと、もっと俺に狂え、威乃」
「す…ごっ、…!やだ…やっ…だっ…っ!きも…ちっ…い…ぃ…、ッ!もういっ…い…からぁっ…ッ!やっ…、…やだ…もうっ…だめ…!い…、い、やっ…、ッイきた…く…な…!」
ズンっと奥を突かれてまた潮を吹く。龍大はそれに舌舐めずりをして、ぐるっと腰を回すと抽出せずに奥だけを突き出した。
「あ…ぁ…ん、…!壊れちゃ…、…!う…っ…っ…んっ…ん、あ…ん……!すごっ、…!うっ…う……いぃ…い…、…!」
もう快楽だけを追うオモチャのように、威乃はただ揺さぶられ喘いだ。最後は何も出なくなり、とうとう意識を手放した。